係長の壁を越えるために|育児中でも挑戦できる“機会のつくり方”
2025.12.30
- お知らせ
係長の壁を越えるために|育児中でも挑戦できる“機会のつくり方”
前回の記事では、育休からの復職率が高くても「係長の壁」が存在し、子育て中の女性がキャリアの階段を上りにくい現状についてお話ししました。
今回は、その壁を少しでも低くするために、人事としてできること――
“挑戦の機会をどうつくるか”
について考えてみたいと思います。
>前回の記事 人事の支援策を考える|育休復職率100%の裏にある昇進の壁
挑戦の機会は、実は自然に公平に配られるものではありません。
どうしても、
• 時間に余裕がある人
• フルタイムで働ける人
• 上司が安心して任せられる人
に集まりがちです。
その結果、育児中の社員は「やってみたい」と思っていても、経験を積む前に昇進ルートから外れてしまうことがあります。
これは能力の問題ではなく、機会の偏りが生み出す課題ではないでしょうか。

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なぜ挑戦機会が偏ってしまうのか?
その背景には、組織の中にある“暗黙の前提”が影響しています。
• 「急な対応が必要だから、子育て中の人には頼みにくい」
• 「負担をかけたくないから、別の人にお願いしたほうがよい」
• 「リーダーは残業できる人がやるもの」
こうした“善意の配慮”が、結果として育児中の社員から挑戦の場を奪ってしまうことがあります。
さらに、
• プロジェクトのアサインが属人的
• 昇進に必要な経験が見えにくい
• 上司によって判断基準が違う
といった仕組みの問題も、機会の偏りを生み出してしまいます。
挑戦機会をつくるための工夫
1. 小さなリーダー経験を増やす
大きなプロジェクトを任せる必要はありません。
時短勤務でも担えるリーダー経験はたくさんあります。
• 小さな業務改善のリーダー
• 新人育成のメンター
• チーム内のタスク取りまとめ
「係長になる前の経験」を細かく分けて、誰でも挑戦できる形にすることが大切です。
2. 副リーダー制度をつくる
いきなりリーダーを任せるのは不安でも、
• メンバーの進捗確認
• 一部業務の取りまとめ
など、リーダー業務の一部を担当する“副リーダー”なら挑戦しやすくなります。
育児中の社員にとっても、「まずは副リーダーから」というステップがあると挑戦しやすくなります。
3. 挑戦機会を“見える化”する
挑戦機会が見えないと、
「なぜ自分には声がかからないのだろう」という不信感につながりモチベーションが下がります。
• 必要なスキル
• 担当者の選定理由
こうした情報を共有するだけで、機会の公平性がぐっと高まります。
4. 昇進に必要な経験を棚卸しする
係長に必要な経験を分解し、
• プロジェクト経験
• メンバー育成
• 課題解決
• 業務改善
などを一覧にして、どの経験が足りないのかを本人と上司で共有できるようにする。
「何をすれば係長になれるのか」が見えると、挑戦する気持ちが自然と湧いてきます。
5. 挑戦を支えるフォロー体制
挑戦して失敗したら評価が下がる――そんな雰囲気では、誰も挑戦できません。
• 挑戦前の期待値調整
• 挑戦中のメンター制度
• 挑戦後の振り返り
• 失敗しても評価が下がらない仕組み
挑戦の“安全網”があるだけで、社員の一歩は大きく変わります。
挑戦機会をつくると、組織はどう変わるか
挑戦機会を意図的につくることで、組織にはこんな変化が生まれます。
• 係長候補が増える
• 育児中でもキャリアを諦めなくなる
• 公平性が高まり、組織への信頼が深まる
挑戦機会の設計は、制度改善というより、組織の文化を変える取り組みでもあります。
育児をしてい社員の挑戦機会は、放っておいても増えません。
育児中でもキャリアを諦めなくていい組織へ。
人事が意図的に仕組みをつくることが大切なのではないでしょうか。
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